【歯科衛生士が解説】ホームホワイトニングの全て!効果・値段・やり方・時間・頻度

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こんにちは、歯科衛生士・ママライターのミホです。今回は「ホームホワイトニング」についてです。

ホームホワイトニングとは?

ホワイトニング

ホームホワイトニングとは自宅(home)で行うホワイトニングのことです。歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」と区別してこのように呼ばれています。ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングと違って自宅でできるというのが嬉しい点ですよね。歯科医院が苦手な方も忙しくて歯科医院へなかなか行けない方も、自宅にいながら歯を白くすることができます。

オフィスホワイトニングとの違いは以下でまとめています。

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ホームホワイトニングのメリット・デメリット

ホームホワイトニングにはメリットがあればデメリットもあります。

メリット

  • 自宅で自分のペースでホワイトニングが行える
  • 比較的費用を抑えられる
  • 効果が長持ちしやすい

ホームホワイトニングのメリットは、何より自宅でホワイトニングができる点でしょう。自分のペースで行えるため、予定の無い日や夜寝る前など自由に時間を決めることができます。私もホームホワイトニングの経験がありますが、仕事後予定が無い日や週末自宅にいるとき、夜ご飯を食べた後など部屋着でリラックスした状態で行えるのもメリットに感じました。自分で歯の色を見ながら白さを調節できるのも嬉しい点です

またオフィスホワイトニングに比べて、比較的費用を抑えられるのもホームホワイトニングのメリットですね。ホワイトニング剤が無くなったら買い足す必要がありますが、それでもトータルして費用を抑えられることが多いです。ホームホワイトニングにはいくつか種類がありますが、そのどれをとっても基本的にはオフィスホワイトニングよりも安価に済ませられます。これらに加えて、ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングよりも効果が長持ちしやすいというメリットもあります。

デメリット

  • 効果が出るまでに時間がかかる
  • 準備や片付けが手間

ホームホワイトニングのデメリットは、オフィスホワイトニングに比べて効果を感じられるまでに時間がかかるという点です。「効果が出た」と感じるタイミングは個人差がありますが、ホームホワイトニングは1回ではなく数回繰り返すことで「歯が白くなった」と感じる人が多いです。ただ高濃度のホワイトニング剤を使ったり、1日2回ホームホワイトニングを行なったり、進め方によってはすぐに効果を感じられることもあります

またオフィスホワイトニングは歯科医師や歯科衛生士に任せっきりでいすに座ってさえいればOKなのに対し、ホームホワイトニングは準備や実施、片付けなど全て自分で行う必要があります。ホームホワイトニング用のマウスピースを洗ったり、ホワイトニング剤の補充をしたり、管理が面倒に感じる方は向いていないかもしれません

ホームホワイトニングの種類

ホームホワイトニングは大きく分けて2種類あり、それによって効果や値段も大きく変わってきます。

  • 歯科医院のホームホワイトニング
  • 市販品のホームホワイトニング

歯科医院のホームホワイトニング

歯科医院のホームホワイトニングは、歯科医院でホームホワイトニング用のマウスピースを作りホワイトニングは自宅で行うものです。そのため初めだけ歯科医院へ行く必要がありますが、ホワイトニング中は基本的に通院する必要がありません。ホワイトニング剤が終わって再購入が必要になったり、メンテナンスを行なったりする場合は歯科医院へ行きます。

歯科医院のホームホワイトニングは、使用するジェルによってさらに以下の2つに分けられます。

  • デイタイプ
  • ナイトタイプ

デイタイプ

デイタイプは日中行うホームホワイトニングで、ホームホワイトニング用のマウスピースにジェルを盛り、30分〜2時間ほど装着していると歯が白くなります。ホワイトニング剤がマウスピースから漏れるなどトラブルがあっても、すぐに対応したり歯科医院に相談したりすることができますね。

歯科医院のホームホワイトニングのデイタイプには、濃度が6〜14%の過酸化水素の含まれていることが多いです。なおオフィスホワイトニングで使用されるのも過酸化水素という成分ですが、濃度が異なります。オフィスホワイトニングは歯科医師や歯科衛生士の下で行うため、濃度の高い過酸化水素を使用します。そのためホームホワイトニングに比べて短時間で効果を感じられるのです。

ナイトタイプ

それに対してナイトタイプは夜寝る前に装着するマウスピースとジェルで、寝ている間にホワイトニング効果が現れます。そのため朝起きると歯が白くなっており、日中は仕事でマウスピースを付けられない、マウスピースによる違和感が苦手などといった方におすすめです。日中はデイタイプでホワイトニングを行い、時間を空けて夜にナイトタイプでホワイトニングを行うという方法もあります。

歯科医院のホームホワイトニングのナイトタイプには、濃度が10〜35%の過酸化尿素の含まれていることが多いです。デイタイプとの違いは、「過酸化素」ではなく「過酸化尿素」であるという点。ナイトタイプの過酸化尿素は、デイタイプの過酸化水素よりも効果が弱く、時間をかけてゆっくり歯を白くしていきます。ナイトタイプは夜寝ている間に使うものなので、過酸化尿素が使用されるのも理解できますね。

なおホームホワイトニングにおいて現在日本で認可されているのは、過酸化尿素の濃度が10%以下のホワイトニングジェルです。これは安全性や日本人の歯の質などを考えた上で決められた数値。海外で販売されているホワイトニングジェルには10%以上のものが多くあり、通販サイトなどで簡単に購入することができます。ただ注意したいのは、濃度が高いほどホワイトニング効果は得やすいですが、その分代償も大きいということ。濃度が10%以上のホワイトニングジェルを使うことで歯がしみたり痛みが出たりすることは多くあり、その他歯ぐきや喉、全身に影響が出る可能性もあります。濃度の高いホワイトニングジェルを使用したいときは、必ず歯科医院で相談しましょう。

市販品のホームホワイトニング

歯科医院ではなく、市販品を使って自宅でホワイトニングを行う方法もあります。市販されているホワイトニング用品には以下のようなものがあります。

  • ホワイトニング用歯磨き粉
  • ホワイトニング用ジェル
  • ホワイトニング用マウスピース
  • ホワイトニングペン
  • ホワイトニングシール
  • ホワイトニング用消しゴム

ホワイトニング用歯磨き粉

よく見かけるのはホワイトニング歯磨き粉でしょう。ドラッグストアなどに売られており、普段使っている歯磨き粉を置き換えるだけでホワイトニング効果が期待できます。それまで使っていた歯磨き粉を置き換えて使う人が多いため、ホワイトニング効果だけでなくむし歯や歯周病予防効果をうたっているものもあります。

ホワイトニング用ジェル

ホワイトニング用ジェルは歯磨き粉の代わりとして使えるものと、歯磨き粉で磨いた後に仕上げとして使うものがあります。使い方はホワイトニング用歯磨き粉とほとんど同じで、歯ブラシにジェルを載せて歯を磨くだけ。歯磨き粉タイプを使うかジェルタイプを使うかは、使用感の良い方や好みで決めてOKです。強いて言うならホワイトニング用歯磨き粉ではなくジェルを使うメリットは、研磨剤が含まれておらず歯を傷付けにくいという点でしょう。ただジェルタイプでも研磨剤の含まれていることもあるため注意が必要です

なお歯科医院のホワイトニングでも「ホワイトニングジェル」を使用しますが、市販品とは成分が大きく異なります。後ほど詳しく解説しますが、歯科医院で使用するホワイトニングジェルの方が効果は高いです

ホワイトニング用マウスピース

歯科医院のホームホワイトニングのように、マウスピースを歯にはめてホワイトニングを行う市販品もあります。ホワイトニングジェルやLEDライトと併用して使うものなどさまざまな種類があります。LEDライトはUSBに接続するだけで使えるものもあり、歯科医院のホームホワイトニングより持ち運びしやすそうなものが多い印象です。

ただ見た目は同じマウスピースでも、歯科医院のホームホワイトニングで使うマウスピースとは異なります。歯科医院で作るマウスピースの方が歯にぴったりフィットし、ホワイトニングが確実にムラなく仕上がるでしょう。

ホワイトニングペン

ホワイトニングペンは文字通りペン型になっており、ペン先を直接歯に当てて塗ることで歯を白くすることができます。歯科医院のホームホワイトニングや他の市販品と違って、着色を分解するのではなく上から白色を塗って隠すというイメージです。ペン先の形状によっては「歯のマニキュア」と呼ばれることもありますが、上から白色を塗って隠すだけなので効果は長持ちしません。

ホワイトニングシール

ホワイトニングシールはシールを歯に貼ることでホワイトニング成分を浸透させ、歯を白くするものです。海外ではドラッグストアなどでよく見かけるもので、ホワイトニング用歯磨き粉などよりも効果を感じやすいと言われています。ただシールが歯の形に合わなかったり、上手く貼れなかったりするとホワイトニング効果にムラが出る可能性があります。

ホワイトニング用消しゴム

ホワイトニング用消しゴムは、消しゴムのようなシリコン素材を歯に直接当て、こすることで歯を白くするものです。歯の表面に付いた着色やタバコのヤニなどであれば落とせることがあります。なお歯の色の原因によっては、歯の消しゴムで落とせないものもあります。白くならないからと強くこすると、歯の表面や歯ぐきを傷付けてしまうため注意が必要です

ホームホワイトニングの効果について

ホームホワイトニングの効果にまつわる以下のような疑問を解説します。それぞれ歯科医院のホームホワイトニングと、市販品のホームホワイトニングに分けて見ていきましょう。

  • 効果はある?なし?
  • 効果が持続する期間は?
  • 効果はいつから感じられる?

効果はある?なし?

歯科医院のホームホワイトニングは効果がありますが、市販品のホームホワイトニングは効果がないこともあります。歯科医院のホームホワイトニングでは、過酸化水素や過酸化尿素といった成分を使って歯の色素を分解し、内側から歯を白くしていきます。そのため歯の表面の着色だけでなく、歯本来の色も白くすることができます。それに対して市販品のホームホワイトニングでは、歯の表面の着色を取ることはできても歯本来の色までは変えることができません。そのため例えば歯が黄色っぽいことの原因が着色ではなく歯本来の色であった場合、市販品のホームホワイトニングを試してもほとんど効果を感じられないでしょう。

ではなぜ歯科医院のホームホワイトニングでは効果の高い過酸化水素や過酸化尿素といった成分が使われているのに、市販品のホームホワイトニングでは使われていないのでしょうか。これは過酸化水素や過酸化尿素が医薬品であり、取り扱うには歯科医師や歯科衛生士といった免許が必要だからです。濃度はさまざまですが、これらの成分は歯本来の色を変えられるほどの効能を持っています。そのため取り扱いには十分注意が必要なのです。

市販品は免許の無い人でも誰でも購入し使うことができるもの。そのため市販品のホワイトニング用品に過酸化水素や過酸化尿素といった成分は含まれていません。代わりに歯の表面の着色を落とせる程度の優しい成分が含まれています。これは市販品に限らず、ホワイトニングサロンセルフホワイトニングなど、歯科医師や歯科衛生士のいないお店でも同様です。歯科医師や歯科衛生士がいないことでお口の中の状態を把握しないままホワイトニングを行います。そのためむし歯や歯周病になっていても気付かなかったり、何かあったときにすぐに対応ができなかったりします。これにより「歯科医院以外でのホワイトニングは危険」と言われることもあります。

市販品や歯科医院以外でホワイトニングと呼ばれる施術を受け、ホワイトニング効果を感じなかった人でも、歯科医院のホームホワイトニングを行うと効果があったということはよくあります。私もその1人で、市販のホワイトニング用品を使ったりセルフホワイトニング・ホワイトニングサロンに行ったりしても効果を感じられませんでした。しかし歯科医院でホワイトニングを受けると1回で歯の色が白くなり、歯の色の原因が着色ではなく歯本来の色だったんだと気付きました。

効果が持続する期間は?

ホームホワイトニングをした後に、その効果が持続する期間はおよそ6ヶ月〜1年とされています。オフィスホワイトニングの効果の持続期間は3〜6ヶ月なので、ホームホワイトニングの方が効果の長持ちしやすいことがわかりますね。これはホームホワイトニングがホワイトニング成分をじっくり浸透させていくため。歯の内部の奥までしっかり成分を浸透させるため、効果を感じ始めるまでに時間がかかるものの感じ始めてからはその持続期間が長いのです。

またホームホワイトニングでは、ホワイトニング剤を使い終わっても買い足せば良いだけ。そのためホワイトニング効果が薄れてきたように感じても、すぐに追加でホワイトニングができます。こういった点から見ても、ホームホワイトニングは歯の白さを維持しやすいと言えるでしょう。もちろんマウスピースは何度も使うことができ、ホームホワイトニングの度に交換したり作り直したりする必要はありません。

ホームホワイトニングで歯の白さを維持できていても、数ヶ月〜1年に1回くらいの間隔で歯科医院へ行くとより良いでしょう。歯の色のメンテナンスだけでなく、むし歯や歯周病のチェックもしてもらえます。

効果はいつから感じられる?

一般的なホームホワイトニングでは1回で効果を感じられることは少なく、数回繰り返すことで効果を感じられます。具体的には、1日1回ホームホワイトニングを行なって1〜2週間かかるとされています。目標とする歯の白さは人によって異なるため、効果の感じ方も個人差がありますが、なるべく早く歯を白くしたい方にはオフィスホワイトニングがおすすめです。

ホームホワイトニングの値段相場

ホームホワイトニングの値段相場は20000〜40000円ほど。これは歯科医院でホームホワイトニング用のマウスピースを作り、ホワイトニングジェルを購入し、実際に効果を感じられるまでにかかる値段です。ホワイトニングという施術は保険が効かないゆえ歯科医院によって独自の料金設定を行なっており、値段が前後しやすいです。

なおホワイトニングジェルは1本=1週間分で、5000円ほどであることが多いです。海外製のホワイトニングジェルは濃度が高く効果を感じやすいですが、国内製のものより仕入れるのに費用がかかります。そのためどのメーカーのホワイトニングジェルを導入するかによって差が生まれ、これが歯科医院によるホームホワイトニングの値段差につながっています。

市販品でホームホワイトニングを行う場合は、数百〜数千円と圧倒的に費用を抑えられます。セルフホワイトニングやホワイトニングサロンでも、1回の施術で10000円かかることはほとんどありません。ただ歯科医院のホームホワイトニングと同じ成分は使っていないため、歯科医院のホームホワイトニングほど歯を白くすることはできません。よくホワイトニングサロンなどのSNSで歯の真っ白な人が写っているのは、ホワイトニングサロンだけで真っ白になったのではなく以下のような人たちです。

  • 歯科医院のホワイトニングで真っ白にした後ホワイトニングサロンを利用している
  • 真っ白なセラミックの被せ物を入れている など

日本人は元々歯が黄色っぽいので、それを白くしたい場合は歯科医院のホワイトニングを受けましょう。

ホームホワイトニングを行う期間・回数

ホームホワイトニングは、1日1回2時間行うのを1〜2週間続けると効果を感じられます。ホームホワイトニングだけで「明らかに歯が白くなった」という状態まで持っていくには1ヶ月ほどかかることも。デイタイプとナイトタイプを併用すればもう少し早く効果を感じられるかもしれませんが、1日2回行いたい場合や濃度の高いホワイトニングジェルを使いたい場合はまず歯科医院に相談しましょう。「とにかく短期間で歯を白くしたい」という方は、オフィスホワイトニングやデュアルホワイトニング、歯のマニキュアなどといった方法を検討しましょう。

なお歯の白さが満足のいくものになった後は、数ヶ月〜1年に1回くらいの頻度で歯科医院へ行きクリーニングを受けると、ホワイトニング直後の白さを長く維持することができます。またホワイトニングジェルを使い終わったら買い足して、歯の色が気になったときに随時ホームホワイトニングを行うという方法でも良いでしょう

ホームホワイトニングができない人・できない歯

ホームホワイトニングは自宅で手軽に歯を白くできて魅力的ですが、歯や体の状態によっては受けられないことがあります

ホームホワイトニングができない歯

  • 詰め物・被せ物
  • ヒビが入った歯
  • 形成不全のある歯
  • テトラサイクリン歯
  • むし歯・歯周病がある場合

ホームホワイトニングができない人

  • 無カタラーゼ症の方
  • 妊娠・授乳中の方

オフィスホワイトニングができない歯・できない人はホームホワイトニングも行えず、その逆も同様です。

詰め物・被せ物

先述の通り、詰め物・被せ物はホームホワイトニングを行なっても効果がありません。ホワイトニング剤は人工の歯ではなく天然の歯に対して効果を発揮するため、詰め物・被せ物に対してはそもそもホワイトニングを行えないとする歯科医院がほとんどです。なお元々の自分の歯に対してホワイトニングを行い、既に入っている詰め物・被せ物の色をそれに合わせて白くしたいという場合は、詰め物・被せ物を外して作り直すしかありません

ヒビが入った歯

歯にヒビが入っている場合、ヒビの部分からホワイトニング剤が内部に入り込み強くしみることがあります。ただホームホワイトニングで使用するホワイトニング剤は濃度が低く、効果も穏やかに現れるので、ヒビの大きさや状態によってはホワイトニングできることもあります。

形成不全のある歯

形成不全とは、文字通り完全に形作られていない状態のこと。歯の表面にあるエナメル質の形成不全や、その内側にある象牙質の形成不全などがあります。形成不全があると、ホームホワイトニングで使用したホワイトニング剤が通常より浸透しすぎることで、強くしみたり痛みを感じたりする可能性があります。また形成不全によりホワイトニング効果を感じにくいこともあるため、カウンセリングの時点で「ホワイトニングできない」とされることがほとんどでしょう

歯の形成不全は、エナメル質や象牙質が作られる時期になんらかの影響を受けることにより起こります。形成不全の原因となる時期はお腹の中にいる頃や生後まもない頃で、乳歯のむし歯を放置したことで永久歯が形成不全になることもあります。なお形成不全のある歯はホワイトニングできませんが、セラミックの被せ物などを被せることで歯を白くすることができます

テトラサイクリン歯

テトラサイクリン歯とは、歯が灰色っぽかったりしま模様が入っていたりする歯です。テトラサイクリン系抗生物質の服用により出る症状であるため「テトラサイクリン歯」と呼ばれています。歯が作られる幼少期に摂取することで起こると言われ、このような副作用が報告されてから妊婦や幼児へのテトラサイクリン系抗生物質の使用は控えられています。なお歯が完全に生えてからであれば、テトラサイクリン系抗生物質を摂取してもこのような症状は出ません。

テトラサイクリン系抗生物質にはミノサイクリン、オキシテトラサイクリンなどさまざまな種類があります。歯に着色が起こることは共通していますが、どの種類を服用していたかによって着色の色が若干異なります。いずれにせよホームホワイトニングで効果が出るかどうかは着色の程度によるため歯科医院で相談してみましょう。テトラサイクリン歯の症状が強く着色も重度である場合は、ホームホワイトニングで効果を感じられなかったり白くなってもムラが出やすかったりするため、セラミックの被せ物などを勧められることもあります。

むし歯・歯周病がある場合

むし歯や歯周病があってもホームホワイトニングは行えますが、基本的にホワイトニングよりもむし歯や歯周病治療を優先されます。これはホームホワイトニングが「見た目を良くするための治療」であるのに対し、むし歯や歯周病治療は「病気を治すための治療」だからです。むし歯や歯周病は健康を害するものであり、見た目を良くするためのホームホワイトニングよりも優先して対応すべきものです。

むし歯や歯周病治療は、多くの場合1回では終わりません。数週間〜数ヶ月かかることも多く、ホームホワイトニングの開始時期がかなり先になってしまうことも。どうしてもむし歯や歯周病治療よりもホワイトニングを優先したい理由がある場合は、歯科医院によっては相談すれば対応してくれるかもしれませんね。ただホワイトニング剤が強くしみたり痛みが出たりする可能性があるため注意が必要です

無カタラーゼ症の方

ホームホワイトニングの薬剤には過酸化水素や過酸化尿素が含まれています。過酸化尿素はホワイトニングの効果が出る過程で、過酸化水素へと変化します。これらは歯を白くするのに役立つ成分ですが、高濃度のものが皮膚に触れると痛みを感じるなど弊害もあるため慎重に扱わなければいけません。ただ健康な方であれば「カタラーゼ」という酵素が体内にあるため、ホームホワイトニングにより過酸化水素が体内に取り込まれても問題無いことがほとんどです。カタラーゼとは体に入った過酸化水素を分解し、酸素や水に変えてくれる酵素です。

しかし無カタラーゼ症の方はこの「カタラーゼ」という酵素が体内に不足しているため、過酸化水素が体内に取り込まれたとき正しく分解することができません。無カタラーゼ症は先天的な遺伝子疾患であり、血液に過酸化水素を垂らすことでも判断ができます。カタラーゼが体内にあれば、血液に過酸化水素が触れると酸素や水に分解されるため触れた部分が泡立ちます。しかし無カタラーゼ症の方は分解が起こらないので泡立ちません

そのためホームホワイトニングを含む歯科医院のホワイトニングは、安全面から無カタラーゼ症の方は受けることができません。無カタラーゼ症の方はセラミックの被せ物などを使えば歯を白くすることができます。

妊娠・授乳中の方

妊娠・授乳中の方は、基本的にホームホワイトニングを含む歯科医院のホワイトニングを受けられません。これはホームホワイトニングに使用するホワイトニング剤の成分が、赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼす可能性があるからです。妊娠・授乳中の方がホワイトニングを受けると赤ちゃんに影響が出ると証明されているわけではありませんが、解明されていない部分であるため「念のため行わない」とする歯科医院がほとんどです

妊娠・授乳中に歯を白くしたい場合は、ホワイトニングではなくセラミックの被せ物や歯のマニキュアなどを使用すると良いでしょう。妊娠中は歯科治療時の体勢変化や長時間同じ姿勢でいることで、具合が悪くなることもあります。ホームホワイトニングを含むホワイトニングや歯科治療は、妊娠5ヶ月ごろの安定期に入ってから受けることをおすすめします。なおお腹が大きくなってくると座っているだけでもきつかったり、内臓が圧迫されることで体調を崩しやすかったりするため、妊娠前に治療を済ませておくのがベストです

ホームホワイトニングのやり方・進め方

ホームホワイトニングのやり方は以下のような流れです。市販品のホームホワイトニングは、商品を購入後書かれている通りに進めるだけなので、今回は歯科医院のホームホワイトニングのやり方を解説します。

①歯科医院でカウンセリング

歯科医院のホワイトニングでは、まずカウンセリングを行います。歯科医師や歯科衛生士がお口の中の状態や歯の色を確認し、ホワイトニングジェルの濃度やそもそもホームホワイトニングを行えるかなどの判断をします。

②マウスピース作製・ホワイトニングジェル購入

専用の材料と機械を使ってホームホワイトニング用のマウスピースを作ります。市販品のホームホワイトニング用マウスピースと違って歯科医院で作るマウスピースはオーダーメイド。そのため歯にぴったりフィットし歯をムラなく白くすることができます

マウスピースが出来上がるまでには数日〜1週間ほどかかることが多いです。そのためマウスピースが出来上がった頃に再度歯科医院へ行き、マウスピースを受け取り、ホームホワイトニング用のホワイトニングジェルを購入します。マウスピース作製代とホワイトニングジェル代などが全てセットになっていることも多いです。

③自宅でホワイトニング

デイタイプであれば日中、ナイトタイプであれば寝る前〜寝ている間にホームホワイトニングを行います。ホームホワイトニング前には必ず歯を歯ブラシやフロスなどでしっかり磨き、清潔な状態で始めましょう

マウスピースの内側かつ歯の表面が当たる部分にホワイトニングジェルを盛り、そのマウスピースを歯にはめます。ホワイトニングジェルが歯の面全体に行き渡ったことを確認すればOKです。初めのうちはマウスピースが口の中にあることで違和感を感じやすいですが、数日経てば慣れてくるでしょう。ホームホワイトニングは1日1〜2回を1〜2週間ほど続けると効果を感じられます。

ホームホワイトニングの時間が終わったらマウスピースを歯から外し、再度歯ブラシを使って歯を磨きます。マウスピースに付いたホワイトニングジェルも綺麗に洗い流し、乾燥させておきましょう。ホワイトニング後は着色しやすい状態になっているため、24〜48時間(1〜2日)は色の濃い食べ物・飲み物を避けます。例えばカレーやミートソース、しょうゆ、ソース、ケチャップ、赤ワインなどです。色が濃くない豆乳などが着色の原因になることもあるため注意が必要です。詳しくは以下でまとめています。

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④メンテナンス・ホワイトニングジェル購入

ホームホワイトニング用のジェルは1本=1週間分であることが多いです。使い終わったら歯科医院で再度購入するか、ネット通販で購入しても良いでしょう。なおネット通販には海外製品や濃度の高いホワイトニングジェルなどさまざまな商品が売られています。歯や全身に影響を及ぼすこともあるため、歯科医院で購入したものと異なるホワイトニングジェルを購入するときは一度歯科医院へ相談することをおすすめします。

ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの違い

歯科医院のホワイトニングには、オフィスホワイトニングだけでなく「ホームホワイトニング」という方法もあります。またオフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた「デュアルホワイトニング」という方法もあります。これらはやり方や効果、値段、期間などに大きな差があるため違いを理解しておくと良いでしょう。

それぞれの違いは以下で解説しています。

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Posted by miho